あいざわキッズクリニックの院長です。
意外と知らない? 抗体と免疫とワクチンの関係
「ワクチンを打ったのにインフルエンザにかかった」 ことから、ワクチン接種の効果がないのでは?と思われ る方がいるのではないでしょうか。 インフルエンザワクチンは抗体による免疫のはたらきで、症状の発症を防ぐ、もしくは軽くするために接種しています。
インフルエンザは発症後、その多くは1週間ほどで症状 は回復しますが、場合によっては肺炎や脳症といった重い合併症を引き起こすことがあります。そうなると入院が必要になったり、最悪の場合死亡したりするケースも あります。ワクチン接種により、こうした重症化を予防することもできるのです。
乳幼児に対するインフエルエンザワクチンの有効性に関する研究でも、報告によって多少幅がありますが、概ね20~50%の発病防止効果があったと報告されています。
インフルエンザウイルスは遺伝子が変化しやすいので、 一度感染した過去のインフルエンザでつくられた免疫は 効かず、再び感染します。 毎年、WHOで、流行するインフルエンザ株を推測し、それを元に国内の専門家がワクチンの基となるウイルス株 (A型が2種類、B型が2種類の合計4種類)を決定。これに基づいて(不活化)ワクチンを製造しています。
ただ、インフルエンザワクチンは、接種による効果が出現するまでに2週間程度かかり、それから5カ月間ほどは 効果が持続するとされています。インフルエンザは例年12~3月に流行するので、12月までにワクチンを接種することをおすすめします。